徳永 京子（仮名）さん
国立大学を卒業後、出身大学の医局に在籍。以降、大学の関連病院に頻繁な異動。さらに、新医師臨床研修医制度にともない在籍の医局員が激減。勤務内容がハードになり、遠方への異動の可能性も出てきたため、出身地方の一般病院へ転職。現在は同一般病院の内科外来に勤務。50代、夫と2人暮らし。
母校の医局に在籍し、関連病院などに十数年間勤務するも、新医師臨床研修制度のあおりを受けて、退局を決意。医師紹介会社を利用して転職した現在の勤務先では、残業・当直・オンコールなしの外来勤務で家庭と仕事を両立し、充実した生活を送っている。
—— 転職の理由を教えてください。
母校の医局では十数年ほど医局人事に従って、市立病院や救急病院に勤務しました。救急病院にて順調に勤務をこなしていたころ、新医師臨床研修制度が導入され、母校の医局が若手医師を引き揚げてしまったのです。そうなると、在籍の医局員だけでは当然回らなくなるため、無理な勤務状況が続き、仕事はますますハードになりました。離れた地域にある総合病院への異動の話もありましたが、知らない土地に移り住むことに不安を感じました。かといってそのまま病院に残り忙しく仕事をしていくのも体力的に難しいだろうと感じて、転職活動を始めました。
—— 転職活動はどのようにされたのですか。
インターネットで検索して、医師紹介会社のメディカルキャストに登録しました。メディカルキャストの担当者はとても親身になってくれて、半年ほどで現在の勤務先に決まりました。
メディカルキャストの担当者は私の希望をよく聞いたうえで、紹介先を考えてくれていました。問い合わせに対するレスポンスも迅速で、面談の希望を申し出るとすぐにアポイントを取りつけてくれる頼もしい存在でした。
その方とは今でもお付き合いがあって、時々食事をしたりしていますね。
—— 転職にあたって設定した条件は？
救急病院では休日や時間外勤務も多く、拘束時間が長かったので、これを機にもっと家庭の時間を確保したいと思っていました。子供はすでに独立していますから、本当は第一線の病院でバリバリと仕事がしたいという気持ちもありましたが、家庭を顧みないわけにもいきません。ただ、これまで経験してきたことを活かせる最後の年代だとも感じていました。
メディカルキャストの担当者にそう話したところ、地域では中核病院として認知されている現在の病院を紹介されました。診療時間は9時から17時までで、土曜日は半日勤務、日曜日は休めます。午前、午後の内科外来を担当し、病棟業務の担当はありません。当直や夜間呼び出しもありません。勤務は定時に終了。年収は特にこだわっていませんでしたが、100万円程度アップしました。
—— 転職してみていかがですか？
いい勤務先が見つかったと思います。医局の構成メンバーはいい先生ばかりで、学閥もないので気持ちよく働けます。希望した条件通りで、自由になる時間も増えました。その時間を使って家庭のことや趣味を充実させています。
今の勤務先はもともと内科医の先生が複数在籍していましたが、外来数が多く、在籍医師の負担となっていました。私がメインに外来を引き受けることで、先生たちからは外来の負担が減ると大歓迎されています。また、若い医師の指導的な役割も任されています。
今後異動の心配もありませんし、医療も家庭も両立できる今の環境に満足しています。主人からも好評なんですよ。病院には私のことを理解し必要としてくれるスタッフもいますし、「仕事が楽しい」と思える職場に初めて行くことができたように思います。